山元弘道、変人な半生を語る「心を癒す大きな力」

当てもなく起業 〜「吹矢de元気!協会」の設立へ結実〜

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「健康に対する新しい予防医学考え方を実践すべく平成2年に起業」ということですが、周囲の反対、あるいは周囲の支援とかについてお話下さい。

山元

それはそれはすさまじいものがありました(笑)。
昭和63年12月24日に車の屋根にスキーの板を積んで東京から引き上げてきましたのですが、当時宮崎にはスキー場はありませんでしたし、品川ナンバーの車とくれば、みんなあほじゃなかろか!ってな感じで奇異の目で見られたのを覚えていますよ。
一応事前に事務所として賃貸契約をしていましたので、平成になってからヤマコーインターナショナルという屋号でスタートしたわけです。会社を辞めて帰郷することには家内は猛反対でした。でも会社を辞めてしまって引っ込みもつかずに、生まれて間もない娘をつれて家族3人で帰ってきました。
しかしそれからが大変でしたね。210日は失業保険がありましたから、なんとか食いつなぎましたが、その後がなかなかで、本当に霞を食って生活をしていたように記憶しています。
したがって、毎日のように、「どうして会社を辞めたの?やめなければこんな暮らしをしなくても済んだのに」なんてね、しばらくはそれはそれはたくさんの愚痴をいただきましたよ(笑)。

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何の当ても、計画もなかったのですか?(笑)

山元

考えが甘かったんですね。当時、健康管理といっても、まだ現在のように自分の健康に対しての意識なんぞまったくといっていいほど定着していませんでしたから、「健康食品はお断り!」「健康だから健康器具は要らないよ」とか、「健康診断を受けているし、病気になったら病院に行くから関係ないよ!」と散々でした。行政もご同様で今が本当に嘘みたいですね。
その間は、収入がないわけですから、父親の土地を担保に資金を借り入れ食いつないでいました。そんな折に高校時代の同級生に「おまえ、暇そうにしているからちょっと手伝え」と呼び出されたのが、(社)宮崎青年会議所の入会面接でした。有無を言わさず入会させられ、高額の入会金と年会費を払わされる羽目になったわけですね。
周囲からはお金もないのに、あんな青年会議所なんかに入ってと、それは冷やかな目で見られる毎日でしたね。しかし変なもので、仕事がない=時間がある=青年会議所の仕事ができるで、卒業まで(青年会議所は40歳で退会しなければならない)の4年間にまちづくりに奔走し、それを通じて得た経験は私にとっては掛け替えのないものとなりましたよ。家族は相当つらい思いをしたかもしれませんが。
そうこうするうちに、東京に兼松が出資した会社でライフチェッカー社とうコンピュータ問診を扱う会社のことを知り、上京して代理店契約に漕ぎ着けたのをきっかけに、株式会社健康管理システム研究所を設立し、 現在に至ったというわけです。

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紆余曲折が若干あったものの、「健康事業」の初志を貫徹したわけですね。この事業の動機となった「自分の身体は自分で守る」を実感した具体的な体験をお聞かせ下さい。

山元

はい、先ほどインドで歯が腫れて痩せこけたお話をしましたが、その他にも香港で食べた生牡蠣にあたったり、外地では生活環境はもとより考え方や仕事のリズムがまったく違うために、それは酷い経験をしました。
朝はまず時間通りには始まらないのは当たり前。話の途中で突如としてアラーの神に向かって礼拝をはじめるのも当たり前。そのときに悟りましたね。こりゃ日本の感覚じゃ身が持たないとね。「郷にいらずんば郷に従え」先人たちはよく言ったものです。
このような劣悪な環境で仕事をして日本に帰ると、今度は朝夕雑踏にもみくちゃにされ、出社すれば数字でがんじがらめ。体調を崩しても会社は知らんぷり。医者に行けば3分診療で話しすら聞かずに投薬でおしまい。
そんな折に、アメリカではすでに予防医学を取り入れた健康管理を進めていることを耳にしたんです。すぐに、これだ!と思いましたね。これからは病気にならないように、ストレスを溜めないように、何事もセルフコントロールをしないことには、誰も何にもできない、してもくれないとね。

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その健康管理を「形」にした「リュウシンLK」を誕生させるまでには、かなりのご苦労があったんでしょうね。

山元

リュウシンLKが完成するまでの苦労ですか? 苦労話ではありませんが、リュウシンLKが出来る切っ掛けについてお話をしますと、ある朝食会(30人程度の)の幹事をしていましてね、毎月第一月曜日の朝にホテルの会議室で開いていたのですが、その会の座長が、ミミズに血栓を溶解する酵素があることを発見された宮医大の美原教授その人だったんですね。
ある時その先生と生活習慣病(旧成人病)の話をしていたときに、血栓がなくなれば全身に抹消血管にまで血がいきわたり、新陳代謝がよくなって免疫力の高い身体になるとの話を伺ったのが切っ掛けでした。折しも某製薬会社でみみずを使った健康補助食品の開発が進められていましたので、運良く自社ブランドとして製品の販売が出来るようになったわけです。

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なるほど。苦労したのは、その美原教授だったんですね(笑)

山元

いやいや、これでも苦労したんですよ(笑)。確かに商品が出来上がるまでの苦労は大してなかったのですが、いざ商品販売となったときに方が苦労でしたね。商品が出来上がって、いろいろなところへ紹介して回ったのですが、健康食品業界の内情を知らずに飛び込んだもので、行くところいくところで商品の話より掛け率の話に終始するんですよ。酷いところでは2掛けでないと販売しないなどといわれて尻込みをしてしまい、せっかくの商品がなかなか日の目を見るまでに至らなかったというわけです。
それで、コツコツと飲んで効果を実感してもらえる人だけに継続的に提供させて頂いていたのですが、最近、どうしてこんないいものを隠しておくんだと苦言をいただきまして、ちょっと考え方が変わり始めたというわけです。
つまりは、リュウシンLKを商品化することよりも、私自身の商売に対する気構えがまったく出来ていなかったということのほうが、苦労した点ではないでしょうか。

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レクリエーションに人の心を癒す大きな力がありと強く感じた事例をお聞かせ下さい。

山元

話が少し長くなると思いますが、保健事業を展開する中で、検診結果の悪かった人に対して、今のうちにお酒、タバコを減らし、体重を落とさないと、このままではあなたは成人病になる確立が・・%ぐらいありますよ。なんて脅迫めいた保健指導を行っていた時期があったんですね。それでよくよく皆さんの声を聞いてみると、分かってはいるんだけど、やめられない。やめられればとっくにやめているよ!というような声が多く聞きます。
そういう寄せられた声を聞いて、なんで自分で分かっていながら出来ないんだろうと考えました。そして自分の気持ちが整理しきれていないでいるのが原因では、と考えるようになり、カウンセリングの勉強をし始め、 ある程度のところまで到達したんですが、そこでまたはたと立ち止まってしまうことになるんです。

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何か「壁」を感じたわけですか。

山元

えぇ、最近流行りのトラウマですが、このトラウマは本来、誰しも思い出したくない記憶なわけです。でもカウンセリングでは思い出したくもない記憶を呼び起こし、そのときの精神状態をかき混ぜ、あたかも解決できていなかった気持ちをきちんと言葉で整理していくのが、簡単に言えばカウンセリングのやり方なんですね。
でも、私が相談者で昔の記憶を呼び起こされたとしたら、おそらく自分の気持ちを素直に開示できないのではないかと考えたんです。所詮不可解な人の心を未完成な言葉で捕らえようとするわけですから、そこには無理があると強く感じたわけです。

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なるほど。そもそも「捕らえようとする」こと自体に問題があるというわけですか。

山元

そうです。そうした悶々とした時期を過ごすうちに、高齢者の方々と健康づくり教室を開くことになり、レクリエーションをして楽しく遊んでいたんですが、高齢者の楽しそうな笑い顔が大きな「気づき」のキッカケとなったわけです。ストレスを抱えた人でも楽しいときは笑う。何かに没頭しているときは心の悩みを忘れている。人間は辛いことより楽しいことを求める性質を持っている。
レクリエーションは心気一新、改めて創造するという意味ですが、レクリエーションは人間の行動欲求に基づいて成り立っているということに気が付いたんです。つまり、人と触れたい人は、例えばダンスを楽しめば、 人と触れ合える。何か活動をしたい人はゲームやニュースポーツを楽しむことで、身体を動かすことが出来る。なにかを作ってみたい人はクラフトを楽しむといった具合にね。

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つまり「捕まえる」のではなく、「引き出して」あげるということですね。

山元

レクリエーションはスポーツ(競技で順位を争う・テクニックを要する)と違って、誰でもが手軽に参加し楽しめるということ。レクリエーション活動に初めて参加する人は、誰しも心を閉ざして、何をやらされるんだろうと疑心暗鬼で参加する人が多く見受けられます。しかし時間の経過とともに、自然と自分の凝り固まった気持ちが解き放たれ、周りの人と交わることで、自然と笑みがこぼれ、人の気持ちを受け入れる余裕が出来てくる、とても抱擁力のある不思議な力を備えているのがレクリエーションだと考えています。言うなればレクリエーションは奥の深い科学だと思います。

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それで「奥の深い科学」の真骨頂が「吹矢de元気!協会」の設立なんですね。

山元

吹矢をどうしてはじめようと思い立ったかと言いますと、スポーツ・レクリエーションにはいろいろな種類がありますが、その中で呼吸を動力源にしたものは、吹矢以外にはなかったということです。そして、ほかの種目であれば、どうしても参加する人に制限が付きまといますが、吹矢は生きている人であれば、寝たきりの人でも、障害を持った人でも、誰でもふっ〜と息を吹きさえすれば、矢が飛んでいって的に刺さる。そして一様に爽快感を味わうことが出来るニュースポーツだということです。
最初は「え〜!こんなに離れたところから吹くの」「肺活量がないからうまく飛ぶだろうか」とという不安が先に立ちます。でも、吹いてみると思いのほか速いスピードで矢が飛び的に刺さる。途端に不安であった顔が笑顔に変わる。今度はもうちょっと真中を狙って見ようか!なんてね。見事に心の動きが見て取れるとても不思議な力を持っていますよ。なによりも単純なのがいいのかもしれませんね。そして、子供から高齢者まで老若男女がハンディなしで3世代いっしょに楽しめる。

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息をしている人なら誰でもできる。この発想は凄いと思います。

山元

普段はまったく無意識にしている呼吸を、意図的に行うことで、体内に淀んだ空気を排出し、新鮮な空気を灰の奥深く送り込むことで、新陳代謝が促進され、自然と免疫力が向上していきます。そのときの消費カロリーは約160kカロリーにも達するといわれており、ウォーキング30分程度行ったと同じくらいの消費カロリーがあります。加えて、普段使わない筋肉を使うことにより、高齢者の方はとかく緩みがちなお尻の筋肉(肛門筋など)や腹筋が刺激されることにより、予期せぬ効果が期待できるわけですね。
また、子供たちは危険を伴うことをしっかり認知した上でルールを守ってプレーを楽しまなければいけないので、情操教育にはもってこいだといえます。最後に、大人は普段のストレス解消にはもってこいでしょ!

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今後の「吹矢de元気!協会」の活動予定をお聞かせ下さい。

山元

現在の活動は、各市町村、社会福祉協議会、高齢者の施設などで健康づくり・生きがいづくり、リハビリの一環として役立てて頂いています。また、レクリエーション大会や職場での福利厚生の一環として楽しんで頂いています。
今後のビジョンとしては、現在は宮崎県と佐賀県でおもに活動を展開されていますが、ただし、まだまだスタートをしたばかりですので、まったく普及に手がつけられていないということです。したがってこれから積極的に各地への拠点作りとスタッフの養成をおこない、全国へ普及を図っていきたいと考えています。

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ご活躍を期待しています。今日はどうもありがとうございました。

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